ブスとブタ

過激なタイトルですが、これは、私が兄弟喧嘩をした時、兄と弟から浴びせられた言葉です。
2歳年下の弟と、4歳年上の兄を相手に、取っ組み合いの喧嘩をします。
喧嘩と言っても、いさかいがあっての喧嘩ではなく、最初は必ず兄が言うのです。「痛くしないので、プロレスの技を、ちょっとだけ掛けさせて。」私は、何回か痛い目にあっているので拒否すると、二人がかりでかかって来ます。兄は、3才と5ヶ月しか違わないし、小柄でしたから、いつも私の勝利で、最後に二人が口にする言葉が、ブスとブタです。負け犬の遠吠えなので、言われても、まったく気にしませんでした。
小学四年生の時、町内会の夏祭りで、相撲大会があり、男子を差し置いて優勝しました。翌年は、男女別になって、また優勝し、そのまた翌年は、けんけんずもうになって、また優勝して、相撲大会事態が次の年から無くなりました。どこかの神社のお祭りと言う訳ではなかったので、盛り上がりに欠けた催しは、中止と言うことですね。
私は、いつも外で遊んでいたので、色黒でした。
偏食も多く、痩せていました。偏食と言うよりも、今で言うアレルギーだと思いますが、そのことは次回に書くとして、なので、ブタと言われてもまったく気にしませんでした。しかし、ブス、おたふく、は、多分気にしていました。そんな私に衝撃的な、事件が起こりました。
高校生になった頃、an・anと言う雑誌があり、その中の記事に、「ブスとブタは道の真ん中を歩くな。」と、有名なカメラマンとデザイナーの対談記事でした。私はそれ依頼目立たないことをモットーにして、なるべく無口な人になりました。
高校生活3年間を通して一人だけ、ずっと同じクラスだったらしい男子から、三年生になって、席が隣になり、卒業間近を控えた頃、「初めて口聞いたね。」と、言われました。
そんな私を少し変えたのは、五輪真弓さんとコシノジュンコさんです。
お二方ともに自信に満ち溢れていて、劣等感等微塵もない様子に、何故か少し元気になりました。
この私の思考は、お二人に対しては、とても失礼なことですよね。すみません。
私は思います。不細工に生まれたとしても、縮こまって生きることはない。と、お二人に勝手に、こっそりと、お礼を言いたいと思います。